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お魚のちょっとおもしろい話・メス→オスへの性転換

2016/04/02    お魚のちょっとおもしろい話

今回は前回のお話で、すばらしい繁殖システムを持つということで、
ゾウアザラシ君に大変うらやましがられたハナダイさんたちのお話です。

スミレナガハナダイオス スミレナガハナダイ・オス
↑↑↑ こんな魚 ↓↓↓
hanadai1 スミレナガハナダイ・メス

少しおさらいです。
 
 
ゾウアザラシの場合、オスとして子孫を残すためには、まるでケンシロウのようなボスに戦いを挑み、そして倒し、自らがボスにならなければなりません。
・・・・でなければ「あぶれオス」として、一生快感も無ければ子孫も残せない状況になります。
 
 
それに比べてハナダイの仲間は、性転換というシステムを採っているため、ハレムを形成するにもかかわらず「あぶれオス」は存在しないのです。
 
 
自分がボスになる順番が来るまではメスで居て子孫を残しておいて・・・
 
順番が来たらオスに変~身! するのです。
 
仮に順番が回ってこなかったとしても・・・
メスとして、子孫を残すことができるのです。
 
 
  う~~~~む・・・ すばらしい
 
            おさらいここまで。
 
 
 
   しかし・・・
 
 
 
しかし、それならば、わざわざオスに変身しなくてもメスのままでいれば・・・
 
   その方が楽じゃん!
 
 
別にメスのままでも何不自由ないわけだし。。。子孫は残せるし。
 
 
わざわざオスに変身しなくてもいいじゃん。
 
 その気持ちよくわかります。
 
しかし、よーーーーーーーーく考えてみると、
ちゃんとオスに変身するべき理由があるのです。
 
そもそも、いわゆるオスとメスの違いは、おちんちんが付いているかとが、お乳を出すとかではなく、
 
 
簡単に作れる遺伝子媒体(精子)を、より多くの相手にじゃんじゃんばらまいて子孫を増やす戦略なのがオスで、
時間と労力をかけて栄養たっぷりな遺伝子媒体(卵子)を作り、よりふさわしい相手を慎重に選ぶ戦略なのがメスなのです。
 
オスとメスの決定的な違いはコレ↑↑↑です。
【なので、(性転換しない)動物たちは(人間も含めて)、オスがメスを追いかけるのが一般的なのです。】
 
たとえば人間の場合、

女性の生産する卵子の数は・・・
月に1つとして、、、年に12個・・・ 
・・・・・ということは一生では大体 400個です。
 
それに対してオトコの場合・・・
精子を毎日約5千万~数億個ずつ、死ぬまで作られます。
 
    と言うコトは一生では・・・ 1兆~2兆個
 
 
こんなに差があるんですね~
 
  
これは海を泳ぐハナダイ達にもほぼ同じことが当てはまり、
卵を産むよりも、精子を作るほうが格段に楽で、しかも多く生産できるのです。
 
 
よく考えてみると、メスのハナダイのお子ちゃまはそのメスの子供であるのと同時に
オスの子供でもあります。
 
周りのメスの子供も、そのメスの子供であるのと同時にオスの子供でもあります。
 
 
。。。ということは。
 
 
ハレムで生まれる子供は全て『たくさんいるメスの子供』であり、1匹のオスの子供』でもあるのです。
 
 
ということは当然、、、
 
 
メスのままでいて残せる子孫よりも、オスに変身して子孫を残す方が・・・

 オスのほうがスゲーたくさん子孫を残せるじゃん!!

なので、ハナダイ達はチャンスがあればオスに変身したがるのです。

そのへんにたくさん泳いでいる ハナダイ。
彼(彼女)らは人間やゾウアザラシには真似の出来ない繁殖方法を採っているのです。


偉大なのです。

★補足★
生まれた時はみ~~んなメスで、オスに性転換することを「雌性先熟」と言います。
その逆にオス→メスに性転換することを「雄性先熟」と言います。 クマノミがその代表ですね。


 

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